初夏のまちで勇壮な馳せ馬 (県神社大幣神事)


一ノ坂までの勾配を全力で駆け上がる馳せ馬
一ノ坂までの勾配を全力で駆け上がる馳せ馬

《城南新報2016年6月9日付紙面より》
 
 県神社(田鍬到一宮司)の大幣神事が8日、中宇治地域を中心に行われた。古式ゆかしい伝統装束に身を包んだ一行が市街地を練り歩いたり、勇壮な馳せ馬を繰り広げ、宇治のまちの初夏を彩った。
 
 平安時代から伝わる「大幣神事」は、旧久世郡宇治郷のまちを疫病から守り、商売繁盛や五穀豊穣を願う神事として受け継がれてきた。市の無形民俗文化財。
 騎馬神人や裃(かみしも)姿のお供ら一行約100人は、3つの黄色い笠や御幣で飾られた大幣とともに県神社前を出発し、県通り、宇治橋通り、本町通りを練り歩いた。供奉として菟道小学校の児童たちも伝統装束を身にまとい、均鉾や祭具を手に列をなした。
 見せ場の一つである馳せ馬では、乗馬クラブに勤務する立命館大学馬術部OGの美谷脇舞子さん(22)がビャクヤ(オス・14歳)に騎乗。宇治神社御旅所前から一ノ坂まで、パカッ、パカッと軽快なひづめの音を響かせて駆け上ると、沿道に詰めかけた大勢の見物客が熱い視線を注いだ。
 最後に県通りで、町中の災厄を集めた大幣を男衆が「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声を上げながら引きずり、後方からやって来る馬にせかされるように約500㍍全力疾走した後、悪病退散を願って宇治橋から宇治川に投じた。
 馳せ馬ではビャクヤが前脚を負傷するハプニングも。3年連続で騎馬神人を務めた美谷脇さんは「楽しかった。馬に任せて走りました。ケガをしたけれど頑張ってくれた」と話し、馬力を見せつけてくれた〝相棒〟をねぎらった。
 

町中の災厄を集めた大幣を、宇治橋の橋上から宇治川へ
町中の災厄を集めた大幣を、宇治橋の橋上から宇治川へ
古式ゆかしい衣装で行列に参加する地元の子供たち
古式ゆかしい衣装で行列に参加する地元の子供たち