移動スーパー営業開始 (宇治・西大久保団地)


《城南新報2016年7月31日付紙面より》
 
 総合スーパー「イオン大久保店」の閉店後、外出が難しい高齢者を中心に〝買い物難民〟が課題となっている宇治市大久保町の府営西大久保団地で30日、移動スーパー「とくし丸」の営業が始まった。今後、毎週水・土曜に軽トラックで訪れ、対面販売を行う。初日は大勢の住民が集まり、生鮮食品や惣菜などを買い求めた。
 
 前身の店舗から37年間にわたり地域に愛されてきた同店が5月末に閉店して以降、西大久保団地では近くにスーパーがなくなり、買い物が困難な住民の支援策が急務となった。
 特に深刻なのは車や自転車に乗れない高齢者。伊勢田町や近鉄大久保駅の高架下、近隣の久御山町内のスーパーへ徒歩で出向くこと自体が難しく、買い物ができても持ち帰るのがままならない人もいる。校区にコンビニやドラッグストアはあるが、お年寄りの間で、それらの店に並ばない肉や魚など生鮮品のニーズは依然高い。
 そこで、現状改善の方策を探ってきた府営西大久保団地連合自治会(福田浩史会長)は、フランチャイズで全国展開している徳島県発祥の移動スーパー「とくし丸」に着目。先方に依頼し、宇治市内の高齢者福祉施設への定期訪問日に合わせ、団地でも営業が決まった。
 この日は、とくし丸に加盟する滋賀県大津市のスーパー「サンライズ」から、生鮮品や生活用品など約400品目、1300点を荷台に積んだ軽トラックが訪問。車から流れる軽快な音楽に誘われるように、団地住民の人だかりができた。
 大塩まち子さん(83)は「新しい品が買えるので良い。便利」と野菜や果物を購入。子供が来た時に連れて行ってもらうのが主な買い物の機会という女性(84)は土用の丑にちなんでウナギの弁当を買い、満足げに帰宅した。
 団地では住民約4000人のうち1300人超が65歳以上。1人暮らしも多く、弁当や惣菜、野菜などのほか、1人前の刺身のパックも人気を集めた。福田会長は「思った以上に『便利』と喜んでもらった。(イオンが閉店し)団地だけでなく他地域の人も不便になり、お互いに苦労していると思う」と話し、買い物難民を解消するスーパーの新規開店を切望した。
 とくし丸は毎週水・土曜午後1時30分から1時間、団地内の第3集会所前で営業する。
 

大勢の住民でにぎわう「とくし丸」での移動販売
大勢の住民でにぎわう「とくし丸」での移動販売