“宇治茶まつり”文化と伝統 (宇治川畔一帯)


《城南新報2016年10月4日付紙面より》

豊太閤の故事にちなんで平等院表参道を進む昔ながらの衣装の行列
豊太閤の故事にちなんで平等院表参道を進む昔ながらの衣装の行列

日本に茶の実をもたらした栄西禅師、宇治に茶園を開いた明恵上人、茶道の始祖である千利休の3恩人へ感謝を込め、宇治茶の隆盛を願う第65回『宇治茶まつり』が2日、宇治川畔一帯で開かれた。日本遺産認定の構成要素にもなっている式典が厳かに営まれ、市民らは協賛茶席などで茶文化に親しんだ。

茶壷口切りのあと、取り出した茶葉を石臼で丹念に挽いた
茶壷口切りのあと、取り出した茶葉を石臼で丹念に挽いた

10月第1日曜の「宇治茶まつり」は、茶どころ宇治にふさわしい年中行事として、宇治祭奉賛会が主催。2013年、全国お茶まつりが宇治で開かれて以降、茶業団体や地元商店街、行政連携のもと消費イベントを併催してきたが、ここ数日の降雨と宇治川増水も影響し、式典がメーンとなった。
午前9時、宇治橋三の間で「名水汲み上げの儀」を行い、祭典が幕開け。東宇治茶業青年団の長谷川裕晃さん・竹本光良さんが、古式ゆかしい烏帽子と狩衣(かりぎぬ)姿でつるべを使い、宇治川から名水を汲み上げた。
辻俊宏さんの先導で、伝統衣装の裃(かみしも)に身を包んだ行列は平等院表参道を行進し、再度、宇治橋に戻って宇治川東岸を興聖寺へ。同寺本堂では、茶業関係者・来賓らが見守る中、宇治茶業青年団の通円祐介さんが同・小島康稔さん介添えで「茶壷口切りの儀」を執り行い、今春、収穫した茶葉を石臼で挽くと、裏千家の金澤宗維・業躰(ぎょうてい)が香り高い一服を献上。読経が流れる中、列席者が焼香し、茶筅塚(ちゃせんづか)法要も営まれた。
この日は、宇治上神社拝殿で市茶道連盟の協賛茶席、同社務所で宇治茶無料接待と点心席、興聖寺では茶香服を簡略化したお茶のみコンクール、抽選会が行われた。
ほかにも、市観光センターで茶の木人形実演・販売があり、好評だった。

始まりを告げる宇治橋三の間「名水汲み上げ」
始まりを告げる宇治橋三の間「名水汲み上げ」
宇治上神社拝殿で市茶道連盟協賛茶席が開かれた
宇治上神社拝殿で市茶道連盟協賛茶席が開かれた
興聖寺で行われたお茶のみコンクール
興聖寺で行われたお茶のみコンクール

◆◆宇治川両岸でスタンプラリー 宇治☆茶レンジャー◆◆
 7年目を迎えた京都文教大学学生らによるイベント「親子で楽しむ宇治茶の日」が2日、宇治茶まつりと連携し、宇治川両岸一帯で開かれた。
同大学の地域連携学生プロジェクト「宇治☆チャレンジャー」(前原美羽代表、14人)が主催。今年は、地元茶商が協力し、試飲など行う「聞き茶巡り」を別日開催。宇治茶の歴史・文化に触れながら界隈を歩く「宇治茶スタンプラリー」に力を込めた。
恒例のスタンプラリーでは、学生の繰り出すクイズに頭をひねった親子が、地元の歴史・文化への理解も深め、2人1組で辺りを周遊する「5茶レンジャー」が、親子にオリジナルシールをプレゼントし、ボーナスクイズを出題。同大学高齢者アカデミーの学生らもスタッフとして参加する中、汗ばむ陽気に顔を上気させた親子らと交流を深めた。
増水で立入禁止となった塔の島に代わり、演劇ステージを妙楽広場、ゴールポイントを菟道ふれあいセンターに変更し、参加者を温かく迎え入れた。
なお、各日80人(午前・午後の部各40人)の「聞き茶巡り」は、23日(日)が初回。例年通り、オリジナル湯呑みと和風巾着の入ったセットを手に5店舗を巡り、学生の地元ガイドも付く。申し込み、問い合わせは、同大学フィールドリサーチオフィス℡25‐2630まで(平日午前9時~午後5時)。

宇治橋東詰めの通圓でスタンプを押す子供
宇治橋東詰めの通圓でスタンプを押す子供