“宇治学” 副読本が完成 小学3・6年版、指導手引きも (宇治市教委)


《城南新報2017年3月30日付紙面より》
 
 全国に先駆けて、小中学校の総合学習で使う「副読本」作成に取り組んできた宇治市教育委員会は、このほど2年掛かりで小学3・6年生版(AB判・40㌻)を完成させた。「探究的な学び」を掲げ、生涯にわたって学び続けるための学び方の習得、ふるさとに関心を寄せ、将来、活躍してもらう願いを込めた。新学期から3・6年児童が活用するのをはじめ、小学3年~中学3年までの各学年版を順次、作成する。
 
 宇治市立小中学校では、総合学習を「宇治学」と称し、各校の特色を踏まえつつ、ふるさと宇治に重点を置いた探究的な学びを進めている。
 全国的に、社会科などで例があるものの、総合学習の副読本作成は「例がなく、一からの作業」(市教委)を昨年度、スタート。2010年に連携協定を結んだ京都文教大学・同短期大学の教員らと力を合わせ、協力校での取り組みを踏まえて内容検討・作成、教師用の「指導の手引き」も作り上げた。
 29日に開かれた市総合教育会議で市教委・姫野友美子指導主事が、3年「宇治茶のステキをつたえよう」、6年「『ふるさと宇治』の魅了大発信」を表題にした副読本を概説し、「有効活用するには、体験型学習やいきいきと調べ学習ができるようサポートが必要。将来的に、ふるさと宇治で活躍できる人材育成につながれば」と編集に込めた思いを披露した。
 各2000部発行し、新学期早々、全児童に貸与。年間70コマの総合学習のうち、半数以上で活用する。また、若手、あるいは他府県出身などの教職員を念頭に置いた指導の手引きも各180部用意した。
 今後も、各学年版に対し、100回以上の会議・協議、丹念な地元取材を重ね、19年度までに7学年分の副読本と指導の手引きをそろえる予定という。
 委員らが「先生のスキルアップを」「保護者に知ってもらう努力もお願いしたい」などと意見する一方、市教委は「分散進学の課題がある中、小学生段階で同じ力を身に付けさせる材料に」と胸を張った。
 また、14年に防災分野を含む教育研究連携協定を締結した京都大学宇治キャンパスとの取り組みの近況報告もあり、委員らから「市が進める小中一貫教育に有効に取り込んでほしい」などの意見が寄せられた。
 

姫野指導主事が完成した副読本をアピール
姫野指導主事が完成した副読本をアピール