“可憐な紫の花々”鮮やかに 3度咲くカキツバタ (城陽市観音堂)


《城南新報2017年5月10日付紙面より》
 
 城陽市観音堂甲田の散策道「花の小径(こみち)」周辺で、可憐な紫色のカキツバタが見ごろを迎えている。
 地下水が豊富な市内では、観音堂地域を中心に11戸の農家が計4・3㌶の畑でカキツバタを栽培。年間約28万4000本を、生け花用として京阪神方面へ出荷している。
 「花の小径」沿いにある露地栽培のカキツバタ畑では例年なら、GW期間中に花が最もきれいに咲きそろうが今年は春先の冷え込みが影響して、1週間遅れ。これから今月20日ごろまで見ごろを迎える。
 市農業委員会の前会長で名刺の肩書きに『百姓』と記す花き栽培のベテラン・完岡義清さん(83)が管理するカキツバタ畑でも、紫に白色交じりのコントラストが鮮やかな花々が見事に満開の状態に。
 高度経済成長期を前に、コメ作りから花き、果樹(モモ)栽培に切り替えたといい「京都府などはお茶に力を入れているが、花の文化も忘れてもらっては困る。カキツバタの需要は生け花しかない。豊富な地下水のおかげで3月末から11月まで、つぼみの状態で出荷できる」と、農業のプロとしての気概を感じさせる。
 完岡さんが所有するカキツバタ畑は約1㌶。1株で3度も花を咲かせる花持ちが良いカキツバタだが、開花すると商品価値は下がる。しかし、完岡さんは「出荷するのは1割ほど。大半は、見に来てくれる人への鑑賞用に残します」と、城陽の自然美を支える功労者は笑顔で話す。
 

満開に咲き誇る「花の小径」沿いのカキツバタ畑
満開に咲き誇る「花の小径」沿いのカキツバタ畑