3年連続稀少なオタマジャクシ “金色カエル”にな~れ


《城南新報2017年5月25日付紙面より》

宇治田原町郷之口中林の今西利行さん(64)が、今年も同町南薬師前の水田で、ゴールドの「オタマジャクシ」を発見した。3年連続の「金」獲得。連絡を受けた生物研究家の中川宗孝さん(城陽環境パートナーシップ会議運営委員)の紹介で、京都大学の若き研究者が飼育・観察を行うことになった。

アルビノ(色素欠損突然変異)の「ニホンアマガエル」。
通常、アマガエルは皮下の3つの色素(黒・黄・青)を変化させ、体色を変えることができるが、このうち1つでも欠けてしまうと変異し、約20年前には久御山町で「トマト色」が見つかっているほか、2004年には宇治田原町で「青色」のカエルが発見され、06年に発刊された同町「野生生物レッドデータブック」にも記載されている。
そして、すべての色素を持たないアルビノは、輝くような金色(透明感のある黄色)になる。
生まれる確率は100万分の1とも言われ、探し求めるマニアも多いが、紫外線に非常に弱いほか、目も見えないものが多いことから、すぐに衰弱。
目立つ色から、鳥に捕食される危険も高く、人目に触れることは「ほとんどない」という。
全国的にも「非常に希少」な金色オタマジャクシは2年前、今西さんが偶然見つけ、今年もほぼ同じ場所で確認した。
昨年は、中川さんが橋渡しをした立命館宇治中、高等学校で慎重に飼育され、同校の自然科学部に所属する中学生らが観察を続ける中、スクスクと黄金色の「カエル」に姿を変えた。

そして、今年は中川さんと親しい京都水族館・関慎太郎副館長のアドバイスもあり、京都大学の学生サークル・野生生物研究会に飼育・観察を託すことになった。
その会長である京都大学農学部3回生の福山伊吹さんは、カエル学者として有名な慶應大学・福山欣司氏の長男。
中学生時代から日本爬虫両生類学会に参加していた「蛙の子」で、ヒキガエルの調査で府内を回っていた最中、宇治田原でアルビノ・オタマジャクシ発見の知らせを中川さんから聞き、すぐさま来町。今西さんから「金色の宝物」を手渡された。
近く、環境省が滋賀県長浜市に設置している琵琶湖水鳥湿地センターの研究員らも調査に訪れる予定だという。
▼京都大学野生生物研究会・福山伊吹会長「アルビノ・オタマジャクシは鳥などに捕食され、自然界ではカエルになることはほとんどないが、ここでは3年連続で発見されている。普通の色で成長するカエルの中に、アルビノの遺伝子を持っている個体がおり、それが命をつないでいるのではないか」

観察を任された福山伊吹さんと発見者の今西利行さん
観察を任された福山伊吹さんと発見者の今西利行さん