田原に“クマ”?出没 目撃情報・体長1㍍80㌢…成獣か


《城南新報2017年6月7日付紙面より》
 

宇治田原町で「クマ」の目撃情報があった。
 現場は国道307号から、府道宇治木屋線(南バイパス)に入って、和束町方面へ約800㍍のところ。【地図参照】
 同町南区に住む男性が、4日午前4時50分ごろ、散歩途中に目撃。
 バイパス道路を南から北へ横断していたといい、体長1㍍80㌢ぐらいの成獣だったという。
 町役場に男性から電話連絡が入ったのは翌5日午前11時30分ごろ。
 町では関係機関と連携しながら、パトロールを実施するとともに、小中学校を通じて「クマが目撃されました」という文書を児童生徒に配布。
 8日には臨時の「役場だより」を全戸配布して、注意喚起するほか、町ホームページにもクマ関連記事をアップする。
 これを受け、町教育委員会も2小学校に当面の間、集団下校をするよう指示。
 近隣の城陽市も「熊の目撃情報」を安心安全メールで配信した。
 同町では2004年11月、1歳ぐらいと思われるメスの「ツキノワグマ」が国道307号で交通事故死している。
 その後の追跡調査によると、この小熊は京都市内の北山から東山をさまよい、その後、山科区から宇治市の笠取を抜けて、曽束大橋を渡ったという足取りが、目撃証言や遺留物によって確認されている。
 つまり、宇治田原に生息していたものではない「迷い熊」。
 その死骸は、京都府レッドデータブックに登録されている絶滅寸前種として剥製標本となり、環境学習教材として活用されている。
 生物研究家の中川宗孝さん(城陽環境パートナーシップ会議運営委員)によると、「公式記録においては、京都府南部はツキノワグマの生息地ではない」という。
 「これまでの目撃情報を検証すると、巨大なイノシシと見間違えた例が多い」とされるが、先の小熊のように成獣が迷い熊になったという可能性も捨てきれない。
 環境省の手引きには、「もしクマに出会ったら」▽落ち着いて、ゆっくりと背を向けずに、その場から離れる▽大声を出したり走って逃げるのはやめる▽写真を撮ろうとフラッシュを使うのは危険▽突発的に襲われたら両腕で顔や頭をガードする…などと記されている。
 新たな情報は宇治田原町役場産業観光課℡88‐6638まで。