災厄封じ宇治川へ 初夏の宇治に勇壮な馳せ馬 (県神社大幣神事)


《城南新報2017年6月9日付紙面より》
 

一ノ坂を目指して全力疾走する馳せ馬
一ノ坂を目指して全力疾走する馳せ馬

県神社(田鍬到一宮司)の大幣神事が8日、中宇治地域を中心に行われた。古式ゆかしい伝統装束に身を包んだ一行が市街地を練り歩いたり、勇壮な馳せ馬を繰り広げ、宇治のまちの初夏を彩った。
 
 中世から伝わる「大幣神事」は、旧久世郡宇治郷のまちを疫病から守り、商売繁盛や五穀豊穣を願う神事として受け継がれてきた。市の無形民俗文化財。
 騎馬神人や裃(かみしも)姿のお供ら一行約80人は、3つの黄色い笠や御幣で飾られた大幣とともに県神社前を出発し、県通り、宇治橋通り、本町通りを練り歩いた。供奉として菟道小学校の児童たちも伝統装束を身にまとい、均鉾や祭具を手に列を成した。
 見せ場の一つである馳せ馬では、京都大学法学部3年生の馬術部員、榊原千尋さん(20)が月光(オス・5歳)に騎乗。宇治神社御旅所前から一ノ坂まで、パカッ、パカッと軽快なひづめの音を響かせて駆け上ると、沿道に詰めかけた大勢の見物客から歓声が上がった。
 最後に県通りで、町中の災厄を集めた大幣を男衆12人が「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声を上げながら引きずり、後方からやって来る馬にせかされるように約500㍍全力疾走した後、悪病退散を願って宇治橋から宇治川に投じた。
 初めて騎馬神人を務めた榊原さんは「大学でいつも乗っている環境とは違う、祭に参加できて良かった。馳せ馬で手綱を持っている間はしんどかったけれど、毎年やってみたい」と笑顔で話した。
 

伝統装束を身にまとって本町通りを練り歩く子供たち
伝統装束を身にまとって本町通りを練り歩く子供たち

町中の災厄を集めた大幣を全力で引きずり宇治橋を目指す男衆
町中の災厄を集めた大幣を全力で引きずり宇治橋を目指す男衆