健康志向や独特の香ばしさ ほうじ茶人気ジワリ スイーツやカフェにも (茶どころ 宇治)


《城南新報2017年6月18日付紙面より》
 

焙じ機での加工…香ばしい香りに包まれる(旭園)
焙じ機での加工…香ばしい香りに包まれる(旭園)

 健康志向の高まりなどを受けて、茶どころ宇治でも、日本茶の代表格の一つ「ほうじ茶」がブームの兆しを見せている。独特の香ばしさに加え、さっぱりと飲みやすいのが特長で、スイーツの素材や、カフェの定番メニューとしても人々の心をつかむ。その人気の秘密やいかに―。
 
 宇治市宇治弐番の府道宇治淀線の丁字路周辺に、香ばしい香りが漂う。創業200年余りの旭園のほうじ茶づくりを支えるのは、40年ほど使っているドラム式の焙じ機。120~130℃で茶葉を焙じる。特に難しいのが温度。茶葉を分けて投じていく際の分量、温度管理、機器の調整は職人技だ。加工したばかりのキツネ色のほうじ茶に熱がこもって黒く変色しないよう、一定量貯まるたびに移し変え、つきっきりの作業が続く。
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 ほうじ茶人気は、全国ネットのテレビの健康番組で取り上げられたことも追い風になった。
 旭園では半年ほど前から、ほうじ茶パウダーを店頭に並べるようになった。きっかけは、なじみ客からの「パウダーでお菓子を作りたい」とのリクエスト。ミルミキサーで細かく砕いた。今年2月末にセールで告知すると問い合わせが増え、売れ筋になった。旭園の多田郁子代表取締役は「ほうじ茶は右肩上がり。香りから入り、気軽に飲んでもらえる」と話す。暑さ厳しい夏場には水出しがおススメ。
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 コーヒー業界も近年、ほうじ茶に熱い視線を注ぐ。今年4月、平等院近くに「京都宇治平等院表参道店」を出店したスターバックスコーヒージャパン(東京都)は、全国の店舗で2009年12月から「ほうじ茶・ティー・ラテ」を販売し、根強い人気を誇る。ほうじ茶特有の香りと上品な味わいを、ふわふわで温かいミルクと組み合わせ、ほんのり甘さを加えて仕上げた。ミルクティーにも似た、まろやかで優しい味わいが口に広がる。
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 ほうじ茶は、緑茶を高温で炒るためカフェインが比較的少なく、妊婦や子供も飲みやすい。さっぱりした味わいに加え、香ばしい香りは、ゆったりとした気分にさせてくれる。府茶業会議所の杉本貞雄会頭は「自然の中に日本人は香りを追求している」と指摘する。
 熱湯を使い、香立ち良く淹れるのがポイント。そのため、日本茶インストラクターの辻三和子さんは「器は厚手で熱さが手に届きにくい陶器がよい」と勧める。
 

スタバで人気の「ほうじ茶・ティー・ラテ」 (京都宇治平等院表参道店)
スタバで人気の「ほうじ茶・ティー・ラテ」(京都宇治平等院表参道店)