創作の軌跡、城陽への思い 16日まで市歴民で特別展 洋画家・森田康雄さん


《城南新報2017年7月1日付紙面より》
 
 公益財団法人城陽市民余暇活動センターなどによる公募展「アートギャラリー」絵画部門の審査員を務める洋画家、森田康雄さん(70)=同市久世=の特別展が、きょう1日から文化パルク城陽西館の市歴史民俗資料館特別展示室で始まる。大学時代の自画像を皮切りに、絵画を中心に創作活動の軌跡を紹介。地元で初の個展に「そのまま見て、何か探ったり、何か考えてもらえたら」と話している。
 
 森田さんは京都市生まれ。独立美術協会会員。武蔵野美術大学(東京都)を卒業後、城陽市内に移り住んだ。京展や洋画の有力団体の独立展などで受賞を重ね、洋画壇の芥川賞と言われた安井賞の常連的な存在に。かつて城陽高校の非常勤美術講師も務めた。
 特別展には、作品の継承や、40年余り暮らしながらも発表機会がなかった地元・城陽への思い、文化拠点の中にある市歴民に現代絵画といった市民芸術にも枠を広げてもらいたいとの願いを込めた。油絵やアクリルなどの絵画20点、塑像など立体10点、新聞小説の挿絵21点、計51点を出展した。
 絵画は黒い自画像に始まり、白い自画像で締めくくる。
 始まりの自画像は学生時代の作品。大学紛争真っ只中の悶々とした気持ち、薄暗い6畳一間の安アパートの一室、混沌とした世相を反映したように、顔の輪郭すらおぼろげな黒が基調の世界が広がる。
 その空気感は一転し、舞台裏の女性、ジェームス・ディーンやマリリンモンローなどへの憧れを戯画的に描いたカラフルな作品が登場。鮮やかな色調の時代を経て、白を基調に描線もシャープな自画像でモノトーンの世界に〝原点回帰〟する。
 「普段の中で、自分が主役になって劇をしているような感覚で描いている」という。「写実でも、写生でもなく、身の回りの物を面白おかしく、寸劇のような感じで描き進めてきた。そのまま見ていただき、何か探って、何か考えてもらえたら」と期待する。絵画の出展作のうち4点を同センターに寄贈した。
 「森田康雄展―その軌跡―」はアートギャラリー2017のプレイベントで、市歴民と同センター、市文化協会が主催する。16日(日)まで、午前10時~午後5時。月曜休館。要入館料。4日(火)午後2時から森田さんのギャラリートークがある。
 なお、今年度のアートギャラリーの作品募集は9月3日(日)まで。
 

地元・城陽で初めての個展に期待を膨らませる森田さん
地元・城陽で初めての個展に期待を膨らませる森田さん