ワイン醸造の夢へ布石 シャルドネ収穫に歓喜 (城陽青谷)


《城南新報2017年8月27日付紙面より》
 
 2014年以来、城陽産ワインの製造とワイナリー(醸造所)建設に向けて取り組んでいる城陽市寺田のイタリア料理店主でソムリエの資格を有する松本真さん(38)ら有志が26日、同市市辺の農地で有機栽培を続けていた白ブドウ品種シャルドネ200本の実を初収穫した。取れた実は、委託先の飛鳥ワイン㈱=大阪府羽曳野市=で醸造され、イルフィーコ店内で今後、食事と共に提供される。
 
 予約が取れない人気店の料理を結集したイベント「城陽メルカート」を開くなど、ふるさと愛に満ちた〝仕掛け〟を積極展開する松本さん。自ら市役所西すぐのレストラン「イルフィーコ」(イタリア語でイチジク)を経営していることもあり、2014年2月、新たな地場産業としての「城陽ワイン」構想を具体的にスタートさせた。
 全国のワイナリーを訪問するうち、大阪の河内など有力産地と似た風土・天候の城陽が持つポテンシャルを信じ、長池・谷農園の約30平方㍍でドイツ系品種ミュラー・トゥルーガウ20本を試験的に植えたものの、高温多湿が不向きで結実しなかった。
 翌15年2月、城陽に支店を置く敷島住宅㈱(川島永好代表取締役、大阪府守口市)が、松本さんの熱意に打たれ、シャルドネ200本を寄付。梅干し、漬物の㈱市久八木代表取締役社長で農家の八木博久さん(50)=市辺=も、自ら管理する農地でブドウ苗の栽培を買って出て、約300坪に200本の苗が植え付けられた。
 15・16年と無農薬栽培に取り組んだが、土壌の栄養不足が原因と思われる病害に見舞われ、実りなし。そんな中、松本さんと5年来の付き合いがあるアドバイザーの加賀山敬之さん(25)も本格参入し、フランス経験を踏まえた有機栽培に本腰を入れたほか、雨水が溜まらないよう溝を掘るなど工夫も施した。
 この日、およそボトル50本分となる50㌔の収穫を目指して、有志たちが作業に爽やかな汗。果汁を搾るなどして風味を確かめ、敷島住宅・川島社長(64)は「一昨年と比べて隔世の感。甘いし、皮がしっかりしている。ワインが楽しみ」、加賀山さんは「甘く仕上がっている」、松本さんは「黄色い果実の香り。濃度が強く、面白い」と手応えを口にした。
 飛鳥ワインで委託醸造されたワインを店で提供するほか、お披露目の試飲パーティーも予定。農地拡大やワイナリー設立に向け、ますます夢がふくらむ。
 

たわわに実ったシャルドネの実をいよいよ収穫する
たわわに実ったシャルドネの実をいよいよ収穫する