巨椋池のハス一冊に 新〝図鑑〟に写真やデータ (地元の研究会)


《城南新報2017年9月22日付紙面より》
 
 京都市・宇治市・久御山町に広がっていた巨椋池のハスを解説した冊子「巨椋池蓮図鑑」を、地元のグループが新たに作成した。約90品種の写真と、その特性やデータなどを掲載し、ハスの楽しみ方が一層深まる1冊だ。
 
 巨椋池には100㌶ほどのハスの群生地があったといい、戦前までハスの名所として知られてきた。国営干拓事業の第1号として1941(昭和16)年に農地に生まれ変わり、コメや淀ダイコンをはじめとする農作物などの産地となった。
 冊子を手掛けたのは、巨椋池に咲いていた花蓮の保存や観蓮会などを行っている「京都花蓮研究会」(植村則大会長)。同会初代会長で、「ハス博士」と親しまれる久御山町の故・内田又夫さんの十三回忌に合わせ、発刊した。
 巨椋池にハスが何種あったか明確ではないが、内田さんらが干拓田を巡って幼芽などを育成し、90種ほど再生した。冊子は、内田さん監修で巨椋池品種を主にした写真冊子「花蓮百華」(2002年)を作成した同会事務局長の金子明雄さん(65)が中心となり、受け継がれてきた品種メモやここ10年余り撮影してきた写真などを基に、今春から取り組んだ。
 花弁の先端が桃色を帯びる爪紅タイプでは唯一、内側の底にほんのり紅をさす「巨椋の輝(かがやき)」や、弁先が時折炎のようにねじれる「巨椋の炎」といった他に類を見ない特徴ある品種を紹介。透き通った淡桃色の「国道24号」や桃紫の丸形花弁で時々白い紋が入る「妙蓮寺」など、採取場所の地名に由来する地域色豊かなものもある。
 写真は、一番きれいで香りがあるとされる開花2日目のハスを採用。府立植物園ボランティアの協力でハスの実の形状や重さなどのデータを盛り込んだ。
 金子さんは「巨椋池にこんなにたくさんハスがあったと知ってもらえたら」と話す。
 A4判38ページ、500部発行した。1冊1000円(税込み)。購入希望者は同会ホームページhttp://www
.ihasu.net/へ。
 

刊行した「巨椋池蓮図鑑」を紹介する金子さん
刊行した「巨椋池蓮図鑑」を紹介する金子さん