硫黄島で遺骨収集作業に 土居さんが市長報告


《城南新報2017年10月5日付紙面より》
 

硫黄島の写真を示しながら活動報告する土居さん㊧
硫黄島の写真を示しながら活動報告する土居さん㊧

 自衛隊OBで城陽市議の土居一豊さん(70)=富野北垣内=は4日、先の大戦で多くの犠牲者を出した小笠原諸島南端・硫黄島=東京都小笠原村=での遺骨収集作業の成果を、奥田敏晴市長に報告した。
 土居さんは、厚労省の外郭団体・一般社団法人日本戦没者遺骨収集推進協会主催の派遣団員32人の一員として、埼玉県の入間基地から自衛隊機で現地入り。防衛省の宿舎に寝泊りしながら9月21日から今月3日までの13日間、未処理濠等の調査や遺骨収集作業にあたった。
 強靭な心身を持つ土居さんだが、昼夜の寒暖差でやや体調を崩して帰郷。硫黄の塊も持ち帰り、火山活動で「今もなお、島自体が隆起している」と伝えた。奥田市長は「戦後70年以上が経過する中、いまだ多くのご遺体が残されたままの現地での作業。本当にご苦労さまでした」と労をねぎらった。
 土居さんによると、今回の作業により千鳥砲台付近の砂浜で遺骨を1体収集され、濠の中からも人骨の一部が見つかる成果があったという。ただ、2万1000柱とも言われる硫黄島での戦没者の遺体のうち現在、発見されているのは今回の1体を含めても「1万351柱」と、まだ1万柱以上が未発見という現実もある。
 2011年度から年4回の遺骨収集派遣を行っている同推進協会は、土居さんが所属する「大東亜戦争全戦没者慰霊団体協議会」や「日本遺族会」など関係団体を通じて事業を続ける方針だが、遺骨収集は年々、困難な状況になっているという。
 土居さんは「自衛隊時代に戦史教育の一環で硫黄島を訪れたことがあり、数年前から参加したい思いがあったが、議会活動の関係で、なかなか実現しなかった。今回、初めて参加させていただき、できるだけ早く残る1万柱を(東京都千代田区の)千鳥ケ淵に奉るべきとの思いが一層、強くなった」との感想を口にした。
 

現地の濠で遺骨の収集作業にあたる派遣団員たち
現地の濠で遺骨の収集作業にあたる派遣団員たち

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