響け!ユーフォニアム 広がるつながる熱い人気 アニメから『創造型観光』


《城南新報2017年12月3日付紙面より》
 
 宇治市を舞台に高校の吹奏楽部員の青春を描いたアニメ「響け!ユーフォニアム」が、第1期終了から2年以上経った今も、ファンのすそ野を広げている。共感を呼ぶストーリー、人々を引きつける作画に加え、根強い人気を支えているのが地元・宇治の力。来年は新作映画2本の順次公開を控えており、冬もユーフォニアムが熱い。
 
 錦秋の宇治川河畔や中宇治地域で先月行われた「響け!探訪ウオーク」。各地から集まったファンが、京都文教大学(同市槇島町)の学生でつくる「響け!元気に応援プロジェクト」のメンバーと一緒に散策し、作品の登場スポットで写真撮影をしたり、会話を弾ませた。
 作品の魅力について、参加した元吹奏楽部員の男性は「同じ境遇で応援したくなる。話が明確で作画もリアル」。「宇治に来ると、(登場人物に)会えるような気持ちになる」との声も。プロジェクトのメンバーの1人、同大学総合社会学部3年生の石塚広樹さん(20)は「作品が新しい可能性を生み出している。ユーフォ熱はまだまだ冷めない」と話す。
  
 宇治橋通り商店街でファンから親しまれる店がある。谷垣彰大さん、愛さん夫婦が経営するガトーショコラ専門店「CHOCO de NINMARI(チョコでニンマリ)」だ。
 昨年3月に開店。当初ユーフォニアムとの縁はなかった。市文化センターでの劇場版上映会に向けて、告知のポスターを通りに見えるよう掲示した際に、ファンが来店。それを機に、「(作品を)観たらはまった」という愛さんのネットワークもあり、口コミやツイッターなどで店の話題が広がった。店内にはファン自作のイラストやペーパークラフトなどが並び、集まったファン同士が笑顔で交流する。愛さんは「感動を分かち合えるのが楽しい」とほほ笑む。
  
 作品の根強い人気の根底にあるのは何か。プロジェクトのまとめ役で、アニメ聖地巡礼現象の調査・考察をしている同大学総合社会学部の片山明久准教授は、抜群のクオリティ、「あるある」連発のストーリー、吹奏楽という潜在的なファン層の票田の厚さに触れる。その上で、根っこには「受け止めてくれる場所があるのが大きい」と説明。「CHOCO de NINMARI」を例に「ファン同士がつながるプラットホームからチェーンのように連鎖している」とみる。
 自身が関わり、作ったことが受け止められ、他人に評価され、つながることができる嬉しさ。ユーフォニアムで活気づく宇治は「旅の楽しみを客がつくる『創造型観光』の最前線」と指摘する。
 

ユーフォファンがつながる「CHOCO de NINMARI」
ユーフォファンがつながる「CHOCO de NINMARI」

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