宇治ゆかりの詩人・尹東柱 韓国教員ら記念碑見学 和解と平和願い、歴史勉強


《城南新報2018年1月19日付紙面より》
 
 第二次世界大戦下、同志社大学留学中に治安維持法違反で逮捕され、獄死した韓国の国民的詩人・尹東柱(1917~45年)の足跡をたどる教員のグループが18日、宇治市志津川の宇治川河畔に建立された尹の記念碑を見学した。
 韓国の小学校~高校の教員らでつくる「正しい歴史を勉強する教員会」。朝鮮独立運動史を重点的に、知識を深めている。尹にゆかりが深い京都の踏査でメンバー約20人が来日し、韓国の報道で知った記念碑に足を運んだ。
 「詩人尹東柱記念碑建立委員会」事務局長の紺谷延子さんが現地を案内し、建立までの10年越しの道のりや碑の特徴、込められた思いを説明。碑の表題としている「記憶と和解」は、国連決議にちなんだことも伝えた。
 グループのメンバーたちは説明に聞き入り、碑に刻まれている尹の作品「新しい道」を朝鮮語で朗読した。かつて尹が宇治川のほとりで歌ったとされる朝鮮民謡「アリラン」で歌声を重ねた。
 記念碑は、尹が友人とハイキングで宇治川を訪れ、生前最後の記念写真に収まった場所の程近くに昨年、建立された。高さ約2㍍、幅約1・4㍍。2枚の板石が円柱を抱え上げている形状で、板石は日本と韓国、尹とその詩を愛する両国の人々、円柱は尹を象徴する。
 ソウル市内の高校国語教師で会の代表を務める金太彬(キム・テビン)さん(45)は、子供向けの尹に関連した本の制作に取り組む。「(尹が)青春の一日を過ごした意味のある場所に碑が建てられたことに感激している」と、建立に携わった関係者へ謝意をにじませた。「新しい道の詩のタイトルのように、和解と平和の時代になれば」と期待し、「韓国の人に、京都に来たらぜひ碑を見てもらうよう伝えたい」と話した。
 

記念碑を囲み、紺谷さんの説明に聞き入るメンバーたち
記念碑を囲み、紺谷さんの説明に聞き入るメンバーたち