山の神に感謝の意捧ぐ 闇夜の大吉山施行 (宇治の桐原町)


《城南新報2018年2月7日付紙面より》
 
 宇治川右岸の大吉山で、このほど、地域に代々伝わる施行(せぎょう)が営まれ、地元町内会有志が道すがら赤飯おにぎりやお揚げ、じゃこを供え、山の神に感謝の意を捧げた。
 施行は、いつも恩恵を受けている自然に敬意を払い、山をねぐらにしている動物たちがエサの少ない冬場に困らないよう―との願いを込める。
 桐原地区の故・曽我友彦さんが大寒に合わせて始めた寒行で、宇治の民話を集めた「宇治むかし語り」に登場。中断を経て再開し、桐原町施行の会の呼び掛けで半世紀にわたり受け継がれてきた。今年も、木村勝行さん・木村光長さん・木島よしえさんが世話方を務め、準備を整えた。
 施行には、民話をきっかけに継続参加する人形劇団主宰の前田明彦さんを含む約10人が午後6時、宇治上神社前に集まり、漆黒の闇と化した散策道へ。「せぎょう、せぎょう」の掛け声とともに、足元を懐中電灯で照らしながら歩を進めた。
 山頂に座す無縁仏の前掛けと帽子を新調し、般若心経を唱和。興聖寺を経由して下山する約1時間半にわたる道中、路傍の石碑やほこら30カ所でお供えした。
 

大吉山麓「総角」石碑でお供物を捧げる参加者たち
大吉山麓「総角」石碑でお供物を捧げる参加者たち