これが可憐な 花筏(はないかだ) 宇治の惠心院で見頃


《城南新報2018年4月21日付紙面より》
 
 花筏(はないかだ)というと、川面に漂う散り桜を思い浮かべる人が多いが、ここ宇治市宇治山田の惠心院では、モチノキ目に属する可憐な落葉低木「ハナイカダ」が見頃を迎えている。【写真】
 非常に珍しい植物で、目に触れることは少ないが、茶花としても利用されるという。
 葉の中心付近に花をつけ、夏には黒っぽい実になる。
 葉を「筏」、花を「人」に見立て、その姿から「花筏」と呼ばれるようになったという。
 また、別名は「嫁の涙」。
 ある若嫁が殿様から「葉に実のなる木を見つけてこい」と命令され、夜更けまで山中を探し回ったが、見つけることができず、その時に流した悔し涙が葉に落ち、月の光で黒真珠のように輝いて果実になった…。
 姑に辛い思いをさせられた嫁が、山に入って流した涙が葉に落ち、花になった…など、諸説あるが、そんな暗い話は考えず、その可愛らしい「いでたち」を眺めたい。
 惠心院の花筏は、先代住職が府立植物園から苗をいただいたものだという。
 例年、ゴールデンウイークが見頃だが、福若亮阿住職によると今年は1週間ほど早め。同院に入って左手、大きな松の前で、ひっそりと揺れている。