ラジオから粥占神事など伝統行事 久御山の歳時記優秀賞 「ふるさと」の魅力発信 (近畿コミ放送賞)


《城南新報2018年5月11日付紙面より》
 
 久御山町内の四季の風習や伝統行事などをまとめた歳時記にスポットを当てたFMうじの朗読番組が、第20回「JCBA近畿コミュニティ放送賞」の娯楽番組部門で優秀賞を受賞した。地元の歴史の〝生き字引〟が過去に執筆した作品を丹念にたどり、活字から音声に置き換え、まちの魅力や人々の息づかいを伝えた。
 
 受賞作は、昨年1月~6月の毎週金曜夕方に計24回放送した久御山町の「ふるさと歳時記」から、竹筒の粥の入り具合で作況などを占う粥占(かゆうら)神事を取り上げた「雙栗神社の『お粥炊きの神事』」。歳時記シリーズは、「町の貴重な財産を残し、聞いてもらいたい」との思いから、町がFMうじに委託している特別番組枠で各回10分オンエアした。
 町郷土史会の前会長・阪部五三夫さんの執筆で広報誌「広報くみやま」に1982(昭和57)年9月から2年間連載された歳時記を、パーソナリティー西秀樹さん(45)が朗読した。
 粥占神事のほか、小正月行事のとんどやひな祭り、田植えなどを紹介。難読字も多く、その都度、その意味も含めて阪部さんらに聞きながら制作したという。10月を表す「神去月(かみさるつき)」など話し言葉で伝わりにくい場合は、「『神(かみ)』が『去(さる)』と書いて」と伝えるなど、イメージしやすいよう解説を加えた。執筆時から時間が経過しているため、登場する催しなどが現存しているかも一つずつ確認した。
 収録は夜間。会社勤めをしていた西さんは帰宅時にスタジオに寄り、ディレクターの樋口与さん(35)と作業に当たった。
 娯楽番組部門には17局がエントリー。FMうじの番組は「郷土史を残すことは大いに意義がある。ゆっくりとした朗読は聞きやすく心地よく、他の話も聞いてみたい」「企画も良く、作り手の丁寧さがよく伝わる」などと高い評価を受けた。
 西さんは「知らない地名や行事名などがたくさん出てきたので、調べたりして、間違えないように気を配った」という。「地域独特の固有名詞などが多数あったので、リスナーの方々に分かりやすいよう、ゆっくりと語りかけるように話しました」と振り返った。
 樋口さんは「宇城久のラジオとして、久御山に根付く風習や人々の暮らし、その時代の人々の社会に触れることができ、感動した。それがリスナーに伝わったら幸いです」と話した。
 

優秀賞の受賞作に登場する粥占(かゆうら)神事(今年1月15日撮影)
優秀賞の受賞作に登場する粥占(かゆうら)神事(今年1月15日撮影)