宇治のNPO認知症予防ネット 新理事長に平田研一さん 安心の共生社会へ


《城南新報2018年5月20日付紙面より》
 

総会では髙林さん(右から2人目)が認知症予防ゲームをアドバイス
総会では髙林さん(右から2人目)が認知症予防ゲームをアドバイス

宇治市のNPO法人「認知症予防ネット」は19日、第14回通常総会を開き、髙林実結樹さんに代わって、新たな理事長に平田研一さんが就く役員人事を決めた。新体制の発足は7月1日から。任期2年。今年度も「みんなの認知症予防ゲーム」の普及など各種事業を進める。
 
 同法人は、認知症の実母の介護を長年続け、看取った経験を持つ髙林さん=宇治市広野町一里山=を中心に、2004年9月に10人余りで発足した。現在、全国各地で正会員84人、賛助会員約80人が活動。脳活性化の効果が期待できる「認知症予防ゲーム」の普及に取り組み、同ゲームのリーダー養成講座を開講したり、リーダー養成資格の公認講師制度も新設したりするなど、草の根から認知症予防活動を続けている。
 JR宇治駅前「ゆめりあ・うじ」で開かれた総会には約30人が参加。法人の創始者であり〝看板〟である髙林さんから理事長のバトンを受け取る平田さんは「介護殺人起きない国に!すべての人が・ともに明るく・暮らせる国に『みんなの認知症予防ゲーム』で願い叶える―を合言葉に、法人理念の『皆が安心してともに暮らしていける地域社会をつくる』を目指して、頑張る」と決意をにじませた。
 事業計画では今年度も、認知症予防の啓発・広報、講師派遣、認定講師資格審査などに取り組む。全国リーダー研修・交流会を西本願寺の聞法会館に変更して今冬に開催する。
 この日は総会の第2部で、全国各地や韓国、アメリカにも広がる「みんなの認知症予防ゲーム」の体験会を企画し、髙林さんがゲーム開催時の誘いの声掛けのポイントから説明した。参加者は車座になり、リズミカルな指遊びや数え歌といったゲームリーダーの基本となる各種ゲーム、シーツを使った玉入れ、お手玉などに挑戦。名誉理事長に就く髙林さんは「認知症の人も周りの人も、どちらかが犠牲になるのではなく、スクラムを組んで進む社会、共に生きていける『共生社会』を目指したい」と話した。
 
◇◇安心バッジ「普及して」 認知症患者の徘徊に効果◇◇
 
 認知症患者が徘徊した時、早期発見に役立つのが『安心バッジ』(直径約3・8㌢)。同NPO法人が作って約3年が経過し、1万個以上が世に出た。
 作製のきっかけは京都市伏見区に住む90代女性の徘徊。無賃で京阪電車に乗って出町柳、北浜と遠出してしまい、息子は振り回されてきた。息子も母親の靴に名前などを記入していたが、2度目の時はサイズの合わない息子の靴を履いて外出。同NPO法人に相談が寄せられ、バッジが考案された。
 バッジは認知症サポーターのイメージカラーであるオレンジ色をしており、中央に幸せを呼ぶ四葉のクローバーを配置。表面に「名前」「電話」「裏側」とローマ字で表記し、認知症の人が抵抗なく身に付けられるよう配慮した。裏側には名前、電話をシールで貼付。バッジを見た人が裏側を見て息子に電話をくれたのが、3度目の徘徊となった天理からだった。
 しかし、バッジの認知度はまだ低く、髙林さんは「もっともっと広まってほしい」と願う。1個100円(実費程度)での販売となるが、多くの人が身に付けてくれることを望んでいる。
 安心バッジの問い合わせは同NPO法人℡45‐2835まで。

普及が期待される安心バッジ
普及が期待される安心バッジ