デフサッカーW杯へ導く 自慢の俊足で攻撃参加 アジア環太平洋大会〝準Ⅴ〟 (日本代表)


《城南新報2018年5月22日付紙面より》
 
 城陽市市辺在住の堀井聡太さん(19)=龍谷大2回生=がデフ(聾者)サッカー日本代表のメンバーとして、アジア環太平洋大会(韓国・昌原市)に出場。「左サイドバック」のポジションで試合では再三、自慢の俊足を生かしたドリブルで攻撃参加し、日本代表を準優勝に導いた。堀井さんらの活躍で、日本代表は2020年デフサッカーW杯の出場権を獲得。本戦では、初の決勝トーナメント進出を目指す。
 
 東京五輪とまさに同じ年、2020年に韓国で開催されるデフサッカーW杯。その出場権(アジア枠は4チーム・開催国の韓国を含む)をかけたアジア環太平洋大会は、4月23日から今月6日までの日程で、隣国・韓国の地で行われた。
 日本代表はまず、グループ予選を「2勝1分」の好成績で勝ち上がった。
 その戦績は、ウズベキスタン戦(2‐0で勝利)、韓国戦(2‐2で引き分け)、マレーシア戦(2‐1で勝利)。堀井さんは、ウズベキスタンと韓国戦に左サイドバックとして先発フル出場し、自慢の俊足を生かして、たびたびオーバーラップして攻撃の起点を作った。
 堀井さんは決勝リーグでも、準決勝のタイ戦、決勝の韓国戦に先発フル出場。タイには6‐1で圧勝したが、続く韓国には1‐2で惜敗。「自分の武器であるスピードを生かした攻撃参加で、勝利に貢献できた。守備面でも1対1で負けないプレーができた」と満足げに振り返った。しかし、韓国戦に関しては「レフリーが韓国人で不利な判定もあった」とコメント。負けず嫌いの一面も感じさせた。
 堀井さんは、2歳の時に「感音性難聴」と診断され、城陽市に住みながら府立聾学校幼児部、京都市立の九条弘道小学校・二条中学校の難聴学級に通った。ただ、地元では小学5年から名門・京都城陽サッカークラブに入部、中学年代でも同クラブジュニアユースで活躍し、健常者とともにプレーした。
 その後、強豪・東山高校サッカー部、現在は龍谷大学(理工学部)の体育会サッカー部に在籍し、ホイッスルの音やベンチからの指示が聞こえないハンディを乗り越えて、現役選手として活躍している。
 そんな堀井さんが「補聴器を外し、審判の判定もホイッスルでなく旗を使用する」デフサッカーに出会ったのは、大学に入ってからのこと。健常者の選手たちの中に入っても、そん色ない競技力があることから「最初は嫌でしたが、徐々に障害がある仲間と一緒に頑張りたいと思うようになりました」と振り返る。
 そして今回、日本代表に初選出。アジア環太平洋大会で銀メダルに輝き、2020年デフサッカーW杯の出場権獲得に貢献した。21日には、父親の浩さん=京田辺市立培良中学校教頭=と小松原一哉市議(自民)とともに市役所を訪れ、奥田敏晴市長や井関守教育長らと歓談した。
 堀井さんは「デフサッカーW杯の日本代表に選ばれるためには、また1から候補合宿に参加しなければなりません。しかし、まずは就活が大事。今は瀬田キャンパスに通っており、琵琶湖の水をきれいにしたり、上下水道の仕事がしたい」と、しっかりした人生設計を披露した。
 奥田市長は「学業との両立も立派にこなし素晴らしい。(就職も、W杯出場も)クリアできると思う。自信を持って取り組んでほしい」とエールを送った。堀井さんは、聴覚障害では最も重い身障者手帳2級を所持。日ごろは、口の動きで相手の会話を読み取り、返答しているという。
 

日本代表の主力メンバーとしてアジア環太平洋大会で活躍した堀井さん㊧ら
日本代表の主力メンバーとしてアジア環太平洋大会で活躍した堀井さん㊧ら