菟道小児童も行列に 神馬が勇ましく馳せる 大幣神事で災厄払い (県神社)


《城南新報2018年6月9日付紙面より》
 

交差点付近の登坂を俊敏に駆け上がる神馬カジキ号と騎馬神人の榊原さん
交差点付近の登坂を俊敏に駆け上がる神馬カジキ号と騎馬神人の榊原さん

県(あがた)神社(田鍬到一宮司、宇治市宇治蓮華)の大幣(たいへい)神事は8日、中宇治地域で行われ、初夏の到来を告げた。同市は2012年、この神事を第1号無形民俗文化財に指定。馳せ馬や、男衆が力強く大幣を引きずる勇姿が、市民や観光客の注目を集めた。
 
 平安時代、藤原頼通が宇治で政務を取るとともに始められたという道饗祭を再現した民俗色の濃い神事。古来、旧久世郡宇治郷のまちを疫病から守り、商売繁盛や五穀豊穣を祈願するものとして受け継がれてきた。
 一行約100人は、3つの黄色い笠を持つ大幣とともに大幣殿前から宇治橋へ。宇治橋通りを進んで、見せ場となる馳せ馬では、京都大学4年生で馬術部の榊原千尋さんが神馬(しんめ)カジキ号(牡9歳)を激励。榊原さんは途中、幣が風にたなびく笠を外して疾走。元サラブレッドの愛馬は、パカッ、パカッ、と軽快なひづめの音を響かせて宇治石油から一ノ坂を4往復すると、沿道に詰めかけた人たちから歓声と拍手が沸いた。
 そして、本町通りから再び大幣殿前に帰着。大幣殿で街中の災厄を集めた大幣を豪快に大地へ叩きつけた。幣差(へいさし)たちは大幣を全速力で引きずり、後方から迫り来る騎馬神人(しんじん)に急かされるように約400㍍駆けたあと、悪病退散を願いながら宇治川へと投じた。
 大幣や騎馬神人らとともに、供奉(ぐぶ)として菟道小児童15人が参列。裃(かみしも)、直垂(ひたたれ)など伝統衣装を身にまとって杓鉾(しゃくぼこ)や祭具を手に練り歩いた。6年の渡辺瑛喜くんは「暑かった。まちの雰囲気がいつもと違って見えた」と爽やかな汗を流した。
 

県神社前三叉路で大幣を引き倒し、横一列に広がって、まさに疾走を始めんとする男衆たち
県神社前三叉路で大幣を引き倒し、横一列に広がって、まさに疾走を始めんとする男衆たち

供奉として行列に加わった菟道小児童たち
供奉として行列に加わった菟道小児童たち