広島の被爆体験者が講話 語り継ぐ戦争の過ち (城陽市平和のつどい)


《城南新報2018年7月15日付紙面より》
 

平和への思いを伝える昨夏の派遣団員・竹内さん㊧と安田さん
平和への思いを伝える昨夏の派遣団員・竹内さん㊧と安田さん

城陽市平和のつどいが14日、文化パルク城陽で開かれた。広島・長崎に投下された原爆や住民を巻き込んだ沖縄地上戦に関する写真やパネルなどを展示。昨夏の広島派遣団の生徒2人による発表や被爆体験者の講話があり、来場者が非戦の誓いを新たにした。
 
 戦争や核兵器の恐ろしさ、悲惨さを改めて市民に周知し、平和の尊さを再認識してもらおうと、市が毎年開催している。今年度で24回目を迎え、今夏の広島派遣団に参加する児童生徒をはじめ多数の市民が来場した。
 昨夏の広島派遣団員の発表で、南城陽中1年の竹内菜乃さんは平和記念資料館で見た展示物や被爆体験者の講話を思い起こし、「広島で原爆について色々学ぶことができた。今年参加する皆さんも平和について学び、考え、多くの人に広めてもらいたい」と呼び掛けた。
 城陽中1年の安田まどかさんは被爆者の気持ちを想像した。「まだ小さい人たちは『戦争なんか関係ない、昔のことなんかどうでもいい』と思っている人がたくさんいると思うけれど、それは大きな間違い」「原爆はとても恐いもの」と強調し、世界平和を願った。
 体験者講話では、11歳の時に広島で被爆した榎郷子さん(84)=同市平川、府原爆被災者の会=が「戦争は勝っても、負けても、良いことはひとつもない」と声を大にした。
 73年前、爆心地から2㌔の自宅で父母らと被爆。自身は無事だったが、爆心地近くで建物疎開の後片付けに奉仕していた高等女学校1年で当時12歳だった姉・睦子さんが行方不明となった。がれきの中から上着が見つかったが、遺骨はなかったという。
 榎さんは、死屍累々の地獄絵図と化した原爆投下直後の無残な光景に心が止まったことを伝えた。睦子さんの上着を、いまわの際までそばに置いてきた亡母の親心に思いを巡らせ、「子供を失い悲しむ母を2度とつくってほしくない」と語った。
 全ての人が「戦争の過ち」を学ぶことなしに戦争はなくならないことを指摘。「何が大切か、誰が本当のことを言っているか、良く勉強して考えて。あなたたち子供は日本の宝。戦争が二度と起こらないように頑張って」と訴えた。

原爆や戦争の悲惨さを訴える榎さん
原爆や戦争の悲惨さを訴える榎さん