戦争体験者と若者が意見交換 平和へ今できること 公開討論や講演 (宇治でつどい)


《城南新報2018年9月2日付紙面より》
 
 平和への思いを発信する「平和のつどいinうじ」が1日、JR宇治駅前「ゆめりあ・うじ」で開かれた。戦争体験者と若者による公開討論や、日中戦争に出征した亡父の中国での足跡をたどった市民からの報告などがあり、来場者が耳を傾けた。
 
 討論のテーマは「平和を守るために、今、私たちにできることは?」。宇治市民で元同志社高校校長の山崎彰さん(83)=明星町=、立命館大学国際平和ミュージアムボランティアガイドの布川庸子さん(84)=広野町=、京都市内在住の同志社大学1回生の大塚勁さん(19)、府立北桑田高校美山分校の4年生である益田太朗さん(18)が意見交換した。
 米軍の目標区域の99・5%が焼失、全国一の〝焼夷率〟とされる富山空襲を体験した山崎さんは、教育が軍国主義にも、平和にも転じることを説明した。布川さんも、軍国主義を支えた教育規範「教育勅語」を引き合いに、「政府はまず教育を狙う」と指摘。平和教育で被爆地や特攻隊ゆかりの地などを訪れた若者世代は「学んだことを次に生かし、いかに継続するかが平和教育で大切」(大塚さん)、「現地に行くから勉強するスタンスではなく、ずっと学習してきたことの集大成として行くのが平和学習」(益田さん)などと思いを語った。
 「平和を守るためにできること」として、パネリスト最年少の益田さんは「地道にコツコツ活動する」と、フェイスブックやツイッターなど交流サイト(SNS)を活用した呼び掛けを紹介。大塚さんは「平和への課題は身近な所にあり、知らないと解決できない。どんどん学んでいくことが大切」とし、平和関連の集会に若者も参加しやすい環境を求めた。
 布川さんは戦時下の状況を描いた自作の絵画も示し、「一般国民は本当に戦争をしたかったのか。戦争がいかにたくさんの人の命を奪ったかを知らないと。戦争時代の真実の姿を伝えたい」。山崎さんは「戦争のない、安心して暮らせる世の中をつくり、子や孫に引き継ぐために頑張る」と決意を込めた。
 つどいは平和のための宇治の戦争展実行委員会が主催し、今年で8回目。講演では、宇治市開町の元教員、俊正和寛さん(82)が日中戦争で旧陸軍工兵隊員として出征した亡父・正利(まさり)さんの足跡を現地調査からたどり、侵略を受けた中国の民衆の立場から日本の加害の歴史を語った。軍隊を持たない中米コスタリカの歩みを紹介する映画「コスタリカの奇跡」の上映なども行われた。
 

平和への思いを語る山崎さん、布川さん、大塚さん、益田さんら
平和への思いを語る山崎さん、布川さん、大塚さん、益田さんら