源氏物語Mリニューアル 観光・生涯学習拠点に 楽しめる体験が満載 (宇治市)


《城南新報2018年9月14日付紙面より》
 

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宇治市源氏物語ミュージアム(西澤久美子館長)=宇治東内=がきょう14日、リニューアルオープンする。開館20周年を迎え、「観光」と「生涯学習」の拠点として再整備。体験を重視し、楽しみながら平安時代の貴族文化に触れ、源氏物語が感じられる施設として生まれ変わった。
 

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同館は1998年11月に開館し、これまでに約218万人が来館。今回、源氏物語の主人公・光源氏の邸宅『六条院』の模型、実物大の牛車、「宇治十帖」の名場面の実物大セットは維持しつつ、約9000万円を投じて増加する外国人観光客への対応、マンネリ化を防ぐための機能を強化した。
 多言語化(日本語、英語、中国語〈繁体字、簡体字〉、韓国語)を図ったほか、寄り掛かって鑑賞できるようバーサポーターを新設。無料貸与の小型タブレット端末を購入し、多言語での展示ガイドを可能とした。
 有料の『展示ゾーン』では「平安の間」で、平安時代の貴族文化である垣間見を疑似体験できる装置3台を新設。平安男性がどのように女性を垣間見たのか、逆に平安女性がどのように見られていたのかを体感できる。また、展示まるごと検索(タッチパネル)も新設。関連する周辺の観光施設、関連書籍も紹介する。
 「宇治の間」では、宇治十帖の登場人物関係を紹介するパネルを新設した。映像と音で十帖を紹介し、あらすじを展示。映像は現在の2本(人形、実写)に加え、アニメ『ネコが光源氏に恋をした』を作成中で、来年4月の公開を予定している。
 「物語の間」では源氏物語の概要を解説するコーナー、江戸時代に流行った茶香服のような「源氏香」スタンプを新たに設けた。平安時代の香りを発する原木も展示。画面のポーズに合わせて体を動かし、楽しみながら源氏物語を学ぶ「動く源氏物語」も設けた。
 無料の『情報ゾーン』は源氏物語の世界と体験を通じてつながるように工夫。平仮名が漢字から派生したことを視覚的に紹介するほか、源氏絵大集合、人文字いろはなど遊び感覚で楽しめるコーナーとした。
 一方、13日にはリニューアル記念式典が開かれ、年間16万人の来館者目標に向け、約100人が改装工事の完成を祝った。
 山本正市長は「ここでしかできない体験や、新しい驚きと発見・感動の機会を作り出し、国内外の観光客に源氏物語、平安時代の文化に親しんでもらい、地域住民も気軽に利用できるミュージアムにする」と式辞。坂下弘親・市議会議長らも祝辞を添えた。
 同館の瀬戸内寂聴・名誉館長は「宇治が(元気で)ないとミュージアムも生きてこない。源氏物語をもっともっと宣伝して。宇治は京都の街より源氏物語の面影を残しており、まだまだ発展の余地がある。これからもミュージアムに力を貸してほしい」と挨拶した。
 その後、テープカットで完成を祝い、新たなミュージアムが関係者にお披露目された。
【写真①テープカットする市長ら、写真②画面に合わせて体を動かし源氏物語を学ぶ、写真③挨拶する瀬戸内名誉館長、写真④ルーレットを回し源氏絵を探す】
 

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◇11月18日まで 特別企画展◇
 
 リニューアルオープンを記念した特別企画展『宇治の名所と旅する光氏(みつうじ)』がきょうから11月18日まで開催される。
 江戸時代後期、源氏物語を翻案した「偐紫田舎源氏」がベストセラーとなり、源氏物語が広く庶民に知られるようになった。エビの尻尾のようなマゲをした主人公・足利光氏が各地の名所を訪れた際の様子を錦絵で描写。同館初出の15点を含む実物資料153点、パネル資料6点を3期に分けて展示する。