アートギャラリー2018開幕 縄野日佳莉さん初出品で栄冠 (文化パルク城陽)


《城南新報2018年9月19日付紙面より》
 
 文化パルク城陽を舞台とする府南部唯一の公募展「アートギャラリー2018」が17日から文化パルク城陽で始まった。それに先立ち、16日には館内で審査会が開かれ、最高栄誉の市長賞には、初出品の縄野日佳莉さん(22)=精華町・府立陶工高等技術専門校=の陶造形『古城の記憶』を選出。入賞作品は30日(日)まで市歴民特別展示室や文パル内スロープに展示される。期間中の22、23日の2日間には、市民ら鑑賞者に投票を求め、上位3作品に「市民(ふるさと)賞」を贈る企画も行う。
 
 府南部の美術文化の振興に貢献している「アートギャラリー」。新進気鋭の若手芸術家の発掘を目的に、新人賞奨励賞(教育長賞)や高校生対象のハイスクール賞を用意しているのが特徴だ。
 今回の応募点数は147点(前回比同数)。その中、初出品者は50人を数え、高校生も25人がチャレンジした。
 一昨年から府外在住者にも門戸を広げ、より出品作品がレベルアップ。出品者の高齢化は否めないが、若年層や遠方からの出品も増えてきた。
 審査会では、太田垣實氏(美術評論家)を審査委員長に、伊庭新太郎氏(画家)、尾西正成氏(書作家)、田嶋悦子氏(陶芸家)、田中仁氏(写真家)、谷口淳一氏(彫刻家)、森田康雄氏(画家)の7人がそれぞれの専門分野で優劣を判断した。
 その結果、賞金10万円の市長賞には、縄野さんの陶造形『古城の記憶』が選ばれ、田嶋審査員は「作家の心情風景と陶芸素材が巧みに融合された作品。過去から現在、そして未来をも物語る館の様相を粘土の柔らかな質感と釉薬の表状で見事に表現され、特に赤泥の細かなひびは大地の存在を感じさせる」と絶賛した。
 また、新人賞奨励賞と位置づける市教育長賞には、吉見麻妙さん=兵庫県尼崎市=の絵画『キャベツとアボガドのある静物』が選ばれ、森田審査員は「丁寧に描かれた誠実な作品。モチーフに対するクールな視点が返って新鮮な世界を醸し出している」と評価した。
 23日(日)午後2時から文パル西館3階第4会議室で、審査委員長を務めた太田垣氏と審査員の伊庭氏による「ギャラリートーク」(入場無料)が行われ、公益財団法人城陽市民余暇活動センター(安藤洋二理事長)では「気軽に来場を」と呼び掛けている。
 入賞者は次の皆さん。
▽市長賞=縄野日佳莉(精華町)陶造形「古城の記憶」▽市教育長賞(新人奨励賞)=吉見麻妙(兵庫県尼崎市)絵画「キャベツとアボガドのある静物」▽文化パルク城陽賞=瀬野榮子(宇治市)絵画「しなやかな刻」▽市文化協会賞=冨山貴史(木津川市)写真「鷺」▽優秀賞=西岡紫鳳(城陽市)書「恍恍如聞・神・鬼驚・時時只見龍蛇走」▽京都新聞社賞=柳浦伊和夫(宇治市)彫刻「藤ノ森の好青年」
▽佳作=中尾ひさ子(宇治市)絵画「ある時」、橋本ひとみ(宇治市)絵画「阿吽」、園部泰士(京都市伏見区)彫刻「日射しの強い日に彼は、」、児玉泰(大阪府高槻市)絵画「周辺の諸事情」
▽ハイスクール賞=姉川光(宇治市小倉町・城南菱創高)絵画「風と歩く」、今井萌花(同)絵画「家族団欒」、大淵芙奈(同)書「東風ふかば」、金沢ののか(同)彫刻「感情」、山田隼平(城陽市枇杷庄・西城陽高)写真「散歩道」
▽星待ちキッチン賞=北村正博(城陽市)写真「エピローグ」
 

市長賞に輝いた縄野さんの陶造形「古城の記憶」
市長賞に輝いた縄野さんの陶造形「古城の記憶」